前回に引き続いて「私が鋼にはまった経緯」後半を書いてみます。
もし興味がありましたら、良ければご覧下さい。
初めて来られた方は、お手数ですが前編からご覧下さい。
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心の乾いた冬の最中にオアシスサイトを見つけ、ひっそりと花を愛でていました。
何故昔の人はえっちな絵を春画と呼んだか、ついに実感しました。確かに心が春になる(殴)
(・・・くどいようですが当ブログは15禁です。)
表ではスーパードルフィーのブログを立ち上げて無邪気に馬鹿やってるのに、裏でこんなことになってようとは、ふふふ♪
などという単純なことで悦に浸っていた馬鹿っぷりでした。
そのサイトさまの規約では「画像を持ち帰らないで」「二次配布は禁止です」と書かれていたので、しっかり守ってこっそり愛でてました。花は花園にあるから長く咲き誇れるのであって、引きちぎって持って返ったら数日も保ちません。
花を愛でたいならサイトに行けばいいのですから。
ところがちょうど1ヶ月前、(個人的には)天地をひっくり返す事件が起こりました。
2000年ごろのものからずっとUPしていた絵が、いきなり撤去されたのです。
なんということでしょう!!わ、私の花園が、私の花がいきなり封鎖!
(誰がお前のものだ!!!)
この衝撃は忘れもしない5歳のとき、近所のシロツメグサの花園が無残にも芋畑に鋤かれた時以来の体験です。
後になってシロツメグサが生きた畑の肥料であることを知ったのですが、子供にそんな理屈が分かるわけもなく壮絶な衝撃を受けました。
昨日まで真っ白な花で埋め尽くされていたのに、次の日に真っ黒な土の畑になっていた虚脱感。あの時は泣くこともできませんでした。
あの日の悲しみと遣る瀬無さを、まさかこんな形で再体験するはめになるなんて。
(・・・分かってます、傍から見れば激しく馬鹿な感想なのは百も承知してます。)
当たり前ですが、管理者様は何も悪くありません。誰より一番の被害者は管理者様です。
あまりの衝撃に居ても立ってもいられなくて、今までの恥ずかしい経緯を添えて嘆願メールを出したのですが、丁寧なお返事を頂き事の重大さを知りました。
現在進行形であまりにも目に余る無断転載が多く、こうする以外に道はないと。
なんということでしょう。私がBLやってた時代はまだインターネットもナローバンド(電話回線などの壮絶スロー回線)が全盛で、
「ダウンロードに時間がかかるから画像なんて1枚貼るだけでもマナー違反」
という時代でしたので、ネット内でこんな痛ましい被害が起きているなど想像もしていませんでした。
何より文章の端々に心底落胆している気配が伺えて、こっちまで泣きたい気持ちになりました。本当に、好きで好きで大好きという思いが絵に滲み出ている方なだけに尚更です。
いったい何の罪を犯したというのでしょう。ただ好きというだけの理由で何故ここまでひどい目に遭わねばならんのでしょうか。
まあ公序良俗には反するのでしょうが、そのための年齢制限サイトです。21歳以上なら節度を持って、せめて管理者の方の迷惑にならない程度に楽しみましょうお願いですから。
リアル花と違って、インターネット上の画像は引きちぎって持って帰っても元データは消えません。
しかし、だがしかし、その花は作り育てた人のものです。
その育ての親が「持って帰らないで」と言っている以上、それに従うのは当然の義務です。その絵が気に入ったなら尚のこと敬意を払って従うのは当然です。
盗んだ人は親から「人さまのものを盗んではいけません」と言われなかったのでしょうか。
盗んで目減りする性質のものではないけれど、他人様のものを勝手に持ち出すのは立派な窃盗です。
そして何より、その行為で管理者様が深く傷ついている。
恩を仇で返すとはこの事です。
せめてやるなら
個人使用に留めて密かに愛で ・・・じゃなくて、せめて「自分は罪を犯している」ということを自覚して下さい。
サイト名は敢えて書きませんでしたが、ここまで書けば昔からの方なら分かるはずです。該当者がまさかここを見ているとは思わないけど、もし罪を犯したなら謝って来て下さい。
ついでに真面目なドリグラーの方たちに、そして私にも謝って頂きたい。
私たちは美しい花を永遠に失いました。
この壮絶なマイナージャンルで燦然と輝く花を。
管理者様の性格上、データを販売するなどということはまず有り得ないので(それこそ無断転載の餌食になる)、「永遠に失われた」という言葉が大げさでなく響きます。
目の前が真っ暗になりました。脳裏に「お前との絆は永遠に失われる」という「魔笛」の夜の女王様の恨み節がこだましてました
。(何を言ってるんだ)
しかし、私のハートはとっくに消火不可能な炎が点いてます。
永遠に失われたものは、最早私の手ではどうしようもできません。出来ない手段に縋る前に、できるところから始めるしかありません。
この焦燥感を癒すための道はもう一つしかない。
BLに復帰しましたよ、ええもう。
若いお嬢さんが主流のこの世界に、30代成人女が尚古にもなく立ち入りましたよ、ええもう。
インターネットを駆使してグリードファンサイト様を捜し歩きましたよ、ええもう。
お陰様で素晴らしいサイト様にたくさん巡りあえて、原作を薦められて原作単行本も一気に読みましたよ、ええもう。
あまりにも衝撃的に面白くて、「なんという(斜め上な)運命!」と自分の運命を呪いたく・・・もとい、祝いたくなりました。
(どうでもいいですが、呪うと祝うという字はよく似てますね)
原作を愛せるなら二次創作をやっても大丈夫!と自ら言い聞かせて、元からやっているSD(スーパードルフィー)を使ってグリードらしきドールを錬成しましたよ。ええもう。
全然違う物体が出来て orz な気分になりましたが、物珍しいのも手伝ってかそこそこ評判が良くて大喜びですよ、ええもう!
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これが、現在までの経歴です。
花を失った悲しさと、自分で花を錬成する喜び(ウツボカヅラ並みの花ですが)、そして妄想・・・もとい愛という名の花を共有する喜び。
枯れて寝ていた魂を叩き起こすには十分すぎる衝撃です。
花を失ったことは悲劇でしたが、こっそり眺めていた時より現在のほうが、私は遥かに生きています。
お上品な薔薇のベッドから叩き出されて、壮絶なイバラ道を行くはめになりましたが、これも自分で選んだ道です。
しょせん私は、こうやって生きていく以外に道がない。それをこんな形で思い知るとは想像だにしてませんでしたが、自覚できたのは大きな収穫です。
いろいろありましたが結果は、壮絶に好みな作家さんに出会え、鋼の錬金術師という名作に出会えて、新しい世界を知り、新しい方たちと交流して、毎日楽しく暮らしていけるので得たもののほうが多いのかもしれません。
この1ヶ月は文字通り「ありえないことなんて、ありえない。」を素で体験することになりました。
これからも体験し続けるでしょう。
その「ありえない」現実が私を生かしてくれる。
きっとあの強欲さんもそうやって生きていたのでしょう。