やっと復帰しました!10日も更新できなくて本当にすみません。
鋼話は明日以降に回して、今日は日常のどうしようもない話題の延長で、「久々に本屋さんに行ったら政治コーナーになんかキューバを神格化した本が出てて『またコレかい!!』と心の中で絶叫しましたが何か」な話題(長いよ)を書いてみようと思います。
立ち読みした感触ではわりとしっかりした内容だったので、作者様の名誉を傷つけないためにもタイトルは晒しません。興味がある方はこちらのリンク先をクリックです。→
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私は、現在の日本がかなりヤヴァイ方向に突っ走っていると思います。明らかに、私が20歳のころより今のほうが労働条件が格段に悪いと痛感してます。
しかしです。だがしかしですよ。
USA式資本主義の対極でキューバを出すのは、・・・それも医療無料とか教育費無料とか、そんないいことばかり書くのは
大変アンフェアだ!と胸を張って宣言します。
キューバ音楽がモノスゴイらしいことを高校生のときに知り、それから数年後から聴き出して本格的にハマってから12年以上になって、しまいました。キューバのアフリカ系宗教のサンテリアなどにもハマって二次創作のネタにしながら現在に至りますが、おかげさまで並みの日本人に比べてほんの少しはキューバの知識は持っている、つもりです。
未だにスペイン語はさっぱり分からない、英語もろくに読めないヘタレなので知識はなかなか入らないので、日本語の資料が頼りになります。・・・日本語は1億人以上が使う、中途半端にメジャーな言語なので資料も中途半端に多いんですよね・・・本気で学ぶ根性がないと言語は習得できんとです |||orz
そんな貴重な資料を錬成される日本人は気合の入った方ばかりで、数は少ないながらも質の高いものがとても多いです。文科系の方は相変わらず見事ですが、ここ数年どうも政治系のキナ臭〜い本が少しづつ出だして(何も知らない人に一方的な知識を植え付けるな阿呆がッ!)と、勝手に怒ってます。
この本はきちんと読んだわけではないし、しかも丁寧な取材をしているのは伝わったので決してこの本を批判する意図はありません。
ありませんが、キューバを地上の楽園的な扱いにして政治利用しようとする連中には、徹底的にNOを突きつけてやろうじゃないか!と勝手に息巻いてます。
まず、はっきり書いておきますが、キューバ内でも格差はあります。
最近はどうか分からないですが、20世紀の終わりごろのキューバは配給も十分でなく、食べるものの半分は市場で仕入れる状態でした。で、外貨が稼げる人は小銭を稼いで、稼げない人は配給に頼るしかない罠があります。
そこでなにが起こるか・・・キューバでは食べるものがないときは砂糖を水に溶かして飲む習慣があるそうですが(※砂糖は無尽蔵にある)、砂糖水でしのぐ住民の隣で、ステーキを食べる家庭があります。
食い物の格差、これは極めて深刻です。1日2日食べなくても餓死することはないですが、まったく贅沢はできません。
お金がないからインフラなんて全然整ってないし、市内鉄道の1本も通ってません。たまに大規模ライブがあるときは、何時間もかけて会場まで歩いてゆっくり帰っていきます。
うちのブログで何度も書いてますが、金がない、というのは自由がない、の同義語です。私はキューバという国にそれを散々見せ付けられました。
確かに教育はタダです、だけど、その高度な知識が金に結びつかない。
医療だって無料ですが、無料のせいで「治ればええがな」というわけで患者への細かなケアや医療の進歩はおざなりです。
おしゃれをしたくても服も化粧品もろくに買えない、配給品だって十分じゃない、ケチャップ1つ買うのに給料の1/3が飛んでいく、必要最低限のもの以外の価値がとんでもなく高いのです。増してやブランドものなんて、よほど外貨が稼げる人・・・たとえば一流ミュージシャンくらいしか買えません。
有機農法や医療教育などの参考には十分なります。同じ島国で教育水準も高いので、日本にとって勉強になる部分は他にもたくさんあると思います。でも、贅沢を知った現在の日本人が参考にするには、あまりにも特殊すぎる社会システムだと断言します。
キューバの場合は現政権の前があまりにもDQNだったから何とか保っているようなもので、こんなシステムは日本には絶対に耐えられない。というか、私は耐えられない。
キューバは現在ほど一般人に富が行き渡った歴史はありません。でも、日本はこれから貧しくなる。この段階で、相当警戒しながら参考にすべきだというのは理解できるでしょうか?
オタクの人限定で話を進めますが、日本がキューバ化すると大変なことになる事例を紹介しましょう。
まず、外貨がない限りPCが手に入りません。だからネットもできない。
そもそも紙が不足してるから、同人誌を出すのもひと苦労です。それどころか、キューバでは同性愛は何故か強烈にタブーなので、
腐敗した本なんか出したら最悪タイーーーホ!になりかねません
。
(同性愛嫌悪はラテンアメリカ全般の傾向らしいですが、キューバはひどいですよ。他の差別は限りなく薄いのに、何でフォモだけはそこまで嫌がられるのか・・・彼の国の腐女子が気の毒すぎる・・・ってキューバに腐女子が存在するのか?)
だいたい、同人即売会なんてイベントが市民主催でできるかどうかも分かりません。たぶん検閲も入るでしょう。(現在の政府は、今の時代に検閲はない!と言い張ってますが)
こんな国で暮らせますか?
わ た し は 無 理 で す 。(永遠にどっかへ行ってしまえ)
お金がないからどこへも行けず、しかも都市なら金を持った外国人客がたくさんいて外部の情報がガンガン入ってくる、情報はあるのに、その情報のもとへたどり着けないのです。
ひどい言い方をすれば魂の牢獄で、その牢獄のわずかな楽しみが音楽でありスポーツでありダンスであり、そのどれもが極めて高い水準にあります。
富を得る人たちの犠牲の上に立つから、たとえUSAの経済封鎖がなくてもメチャクチャに稼げる国にはなりづらいような気がします。経済弱者の犠牲の上に立つ社会は大問題ですが、経済強者の犠牲の上に立つ社会もまた大問題だと私は思います。その中庸を行くのがいちばんマシな道ですが、その按配にはどこも苦労してますね。今のところEU圏がそこそこいいセン行ってるくらいでしょうか?
女の子たちは悪びれずに援助交際をするわ子供はタカるわ、最近は窃盗事件も増えていると聞きました。我も我もでワガママだし、他人に譲るという概念も薄いし上手く騙せたらええやんという邪悪ぽい面もけっこうあったりします。基本的に明るく聡明で親切な人ばかりですが・・・ほんまにあのタカリ根性だけは(ry
私にとってのキューバは最も尊敬する国で、しかし(悪い部分も知ってるので)少し軽蔑も入って、そして最も身近な外部、私がオタクという領域で留まらないための、ほぼ唯一の外部です。いいところもわるいところも、少しだけ知ってます。
これから、ますますキューバを神格化した本が出てくると思います。もし読まれる機会があるなら、ここの内容を頭の片隅にでも置いてから読んでいただければと願わずにいられません。
決して、全面的に参考になる国じゃありません。ぜいたくを知った現在の日本人にはあまりにもハードルが高すぎます。高い知能と感性、不屈の精神を持つ素晴らしい国ですが、決して「地上の楽園」なんかではないことは断言します。
いろいろダラダラ書いてますが、ようは、私の貴重な外部をサヨクなんかのダシにされてたまるかッ!!というだけの話でした。
(ある程度は仕方ないですが)一方的にいい話ばっかりするんじゃないよ、てことです。
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拍手して下さった方々、ありがとうございました!
Thanks for Webclup!!:D